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子育てよもやま話~その5~ 偏食とSDGs
長男は、幼児期にがぶ飲みしていた牛乳が、ある日突然飲めなくなった。
1年生の時、給食で出された牛乳を「一口挑戦!」と言われ、飲んで戻してしまったらしく、以来、担任の先生は、「無理な挑戦はしない方向にしますね」とおっしゃり、救われた。
牛乳がダメなので、シチュー、グラタンなど、学校ではかなりの頻度で出されるクリーム系の料理もほとんど食べられなかった。
暮らしが豊かになって、給食指導は「残してもいい」という風潮になり、また、衛生面から持ち帰りも禁止になった。
私が幼少の頃は、残したパンや牛乳をランドセルから出して、公園の野良猫や野良犬に差し出すなんていう風景もざらにあった。(ドラマでも見かけたなあ。)
残った給食が大量に廃棄されるのは、本当に心苦しい。
「世界には食べられずに困っている人がいる」「ごみを少なくしよう」と言われても、食べられないものは食べられない。
6年生の時、救世主が現れた。その先生の考え方はこうだった。
「食べられないものがあっても仕方ない。学級みんなで協力して食べ切ろう。」
作ってくださる方への感謝の気持ちを表すため、食缶を空にして返すことが目標となった。
ある子は牛乳を数本飲み、ある子はラーメンを何袋も食べた。
運よくその学級は、少年団でスポーツをやっている子や巨漢が多かったので、毎日食缶は空っぽになった。息子は、煮物担当で、特に好物のひじきの日は大活躍した。
当時はSDGsという言葉もなかったし、「食べられる量だけよそって、自分の分は残さない」というのが主流だったと記憶している(今もそうかな?)。
「全部食べたらおかわりができる」というルールもあったような。
ともあれ、全学年で唯一、給食が残らないクラスとなった6年3組。偏食があっても共有できるその記録はとても誇らしいと思う。
給食時間が毎回楽しく盛り上がり、誰も劣等感をもたなくていい。素敵な学級だったなぁと今でも時々思い出している。