私は幼い時、寝る前にいつも母が読み聞かせをしてくれた。
幼稚園教諭となり、子どもたちに読み聞かせたり、絵本や昔話について学んだりする機会ができた。
母は私が29歳の時に病で他界した。
ある時「ちいさなおうち」「おおきなきがほしい」「ひとまねこざるびょういんにいく」「クラマはかせのなぜ」「ながいながいペンギンの話」母が読み聞かせをしてくれた絵本に出会った。
思わず我が子に読んであげたくなり手に取った。
声を出して読むと、私の声と重なるように、懐かしい母の声が響いた。絵本の絵と共に母の声が聞こえたことに驚きと喜びを感じた。毎晩読み聞かせを続けた。
きっと子どもたちの心の中にも私の声が残っていることだろう。